八(単漢字)

八とは、小学一年生で習う漢字である。

解説

概要

数字の8を表す漢字で、大字は「捌」。
八千代(やちよ)や嘘八百(うそはっぴゃく)のように、「多くの」という意味もある。
方位を八方位で表すことも多いため、八方美人、八方塞がりといった言葉もある。

末広がりということで、日本においては数字の中でも縁起の良い字とされる。
ちなみに、セールなどでは298円や1,980円など末尾が8で終わる値段設定が多いが、
これは縁起を担いでいるのではなく、8という数字が購買意欲を促進するためである。

八つ裂き・八切り

もともとは、互いに背き合っている二本の線から「わける・わかれる」という意味があった。
その名残か、「八つ裂きの刑」やトランプの大富豪・大貧民の「八切り」など、切断を想起させる単語の頭に付くことがある。

ちなみに八つ裂きの刑とは、日本では古くは「牛引き」とも呼ばれ、
罪人の四肢をそれぞれ別々の牛や馬に結び付けて、異なる方向に前進させる刑である。
無論、罪人には凄惨な最期が待っており、最も残酷な死刑の形態として知られる。

熟語

通常の読み

八十八夜(はちじゅうはちや)

立春から数えて88日目の日で、おおよそ五月の初め頃。
この頃から草木に霜が降りなくなるので、農作業を始める目安となる。
米(単漢字)という字を分解すると八十八になるので、豊作祈願の吉日ともされる。

特別な読み

八百屋(やおや)

昔の日本において野菜など生鮮食品を扱っていたお店は「青物屋」と言った。
それがいつしか青屋(あおや)となり、八百屋(やおや)となった。
漢字表記は、品ぞろえの充実さから八百万(やおよろず)と結びついたと思われる。

八百長(やおちょう)

勝負事などで、予め勝敗を打ち合わせしておき、表面上は真剣勝負しているように見せかけること。
語源として有力かつ有名なのは八百屋の「兵衛」という男。
彼は相撲協会の年寄りとよく碁を打っており、余裕で勝てる腕前を持っていながら、巧みにあしらって常に一勝一敗になるように手加減をしていたという。

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