女とは、小学一年生で習う漢字である。
解説
概要
手を合わせて跪き、祈りを捧げる女性を象った漢字。
ヒトの雌を意味するほか、汝(なんじ)と同じ意味で使われることが稀にある。
カタカナの「メ」とひらがなの「め」のどちらの由来にもなっている文字。
くノ一は忍者じゃない?
この字を一画ずつ分解すると「くノ一」になる。言うまでもなく女性の忍者を想像するだろう。
しかし実はくノ一に本来「忍者」の意味はなく、江戸時代ではただ単に「女」を意味する隠語であった。
「くノ一の術」という忍術もあるそうだが、これは忍者が別の女を使役して行う術のこと。
女忍者そのものの意味に用いられるようになったのは昭和に流行った時代小説の影響が強いようだ。
熟語
通常の読み
女王(じょおう)
女性の君主や、王の妃のこと。
転じて、一等賞を獲ったり、その道の第一人者だったりする女性を例える言葉。
ちなみに、口に出すとき法皇(ほうおう)のように「じょう-おう」と読みがちである。
これは慣用読みであり、「じょおう」より読みやすいので定着しているもの。
話すときは「じょおう」でも「じょうおう」でも問題ないが、フリガナを振る時は「じょおう」が正解。
女犯(にょぼん)
仏教用語で、僧侶が戒律を破って女性と肉体関係を結ぶこと。
「犯す」という俗語表現の由来となっている可能性がある。→犯(単漢字)
語感が愉快。
特別な読み
女将(おかみ)
旅館や料亭などの女将(じょしょう)のこと。
「お上」に女将の字があてられたもの。→上(単漢字)
女形(おやま)
歌舞伎の女形(おんながた)のこと。
広義では女性を演じる歌舞伎役者の総称だが、現在は「女性を演じる男性」の意味合いが強い。
「おやま」という呼び名はもともと遊女を表す古語だったとされる。