虫とは、小学一年生で習う漢字である。
解説
概要
虫ではなく、大きなマムシ(毒蛇の仲間)を象った漢字。
もともと爬虫類、昆虫類など、小動物全般を意味していた。
そのため「むしへん」が部首である漢字には「蛇」や「蛙」など虫ではないものを指すことも多い。特に「虹」はその最たる例である。
現在この字単体ではもっぱら陸生の節足動物のことを指す。
熟語
通常の読み
虫唾・虫酸(むしず)
口の中に逆流する酸っぱい胃酸のこと。
昔、腹痛は腹の中の寄生虫が引き起こすものだと思われていたため「虫」の字を使う。
「虫唾が走る」と言うと、胃酸が逆流するほど酷く忌み嫌うさま。
虫垂(ちゅうすい)
哺乳類の盲腸の下端から突き出ている突起物で、リンパ系の器官。
盲腸とは小腸から大腸に移行する部分のことを指すが、ヒトやサルの場合その下端は不要なので退化し萎縮しており、この部分が虫垂である。
「急性虫垂炎」という炎症を引き起こすことで有名。
特別な読み
虫(むしょ)
当て字。刑務所のこと。しかし実は「むしょ」は「刑務所」の略ではない。
その証拠に、刑務所がまだ「監獄」と呼ばれていた頃から「むしょ」という言葉がある。
では「むしょ」の由来は何かというと「むしよせば」の略。
牢屋の檻が虫かごに似ているので「虫寄せ場」という説や、監獄で出るご飯が米:麦が6:4の寄せ飯だから「六四寄せ場」という説がある。
札付きの間で虫(むしょ)という俗語が広まった後に「刑務所」という言葉が生まれているわけだが、偶然かどうかは定かではない。