四(単漢字)

四とは、小学一年生で習う漢字である。

解説

概要

数字の4を表す漢字で、大字は「肆」。
東西南北の四方位に借りて、「周り」とか「あらゆる方角」という意味もある。

ヒトは「4」以上を理解できない

一(単漢字)二(単漢字)三(単漢字)と来て四である。Why Japanese people!? である。
実は、大昔の中国で数字の4を表す場合、三までに倣って縦並びの4本線で書いていた。紀元前700年辺りで「四」の原型が現れ、紀元前200年辺りで4本線の4は淘汰されてしまった。

これは、あまりに本数が多いと一目見たとき何本線か分かりにくいからであろう。考えてみると、ローマ数字も3までは「Ⅲ」と縦棒だが4以降は「Ⅳ」になる。そして、どうもこの「4以上が理解できない」というのはヒトが生まれ持った習性らしい。

アマゾンの奥地にはピダハン族という民族が存在するが、彼らには数の概念がない。使用する言語の中に数を意味する言葉が存在せず、「いっぱい」「ちょっと」のみで表現する。そして、「目の前に置かれた物と同じ物を、同じ数だけ並べてもらう」という実験をしたところ、1、2、3までは問題なかったが、4以上から正答率が極端に落ちた。同じく厳密な数の概念を持たない別の民族に対しても、同じ実験結果が得られたそう。

ピダハン族が今も暮らしていることから、ヒトは3まで理解できれば生きていけることが分かる。例えば、二や三のページで人称の解説をしているが、四人称以上は存在しないし、起こりえない。我々が住まう世界は三次元で、縦、横、奥行きの3つしか方向がない。椅子を作る時に最も安定するのは3本脚である。4で身近なものと言えば方角だが、これは向きこそが重要であり4という数字自体は重要ではない。

我々が4以上を理解できるのは、知らずのうちに勉強して身に着けているに過ぎない。つまり、本来ヒトには4以上を直感的に理解する能力はないし、その必要もないのである。3までが三やⅢなのに4から四やⅣだったりするのはこんな理由があった。

熟語

通常の読み

四季(しき)

春夏秋冬の4つの季節のこと。
四季が存在しない国や地域も多く、その場合は雨季と乾季の二季などがある。

四股(しこ)

相撲における動作。もとは醜足(しこあし)と呼び、現在の当て字は江戸時代から。
土俵入り前のこの動作は、大地を踏み均して邪悪な霊を鎮め、豊作を祈願するような目的がある。
もちろんトレーニングとしても用いられる。片足を高くあげて両足を縦にまっすぐに揃えてから強く踏み落とす動作であり、体幹強化、バランス感覚向上、股関節の柔軟性向上、ヒップアップなどの効果が期待できる。

特別な読み

四阿(あずまや)

庭園や公園にある、休憩や眺望のために建てられた小屋のこと。
四方の柱と屋根があるだけで、壁がない。この「阿」はひさしの意味。

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