土(単漢字)

土とは、小学一年生で習う漢字である。

解説

概要

盛り土を象った漢字で、もともとは土の神様を表していた。
神様の意味は「しめすへん」を付けた「社(単漢字)」に譲渡し、こちらは単純に「つち」の意味となる。
「つち」とは我々が暮らす大地のことでもあるので、「人が居住するところ」という意味も生じた。

土という元素

古代中国における自然哲学の考え方に「五行思想」というものがある。
万物は火・水・木・金・土の五つが相互作用して成立しているという考え方である。

土の元素は万物を育成・保護する性質を持つとされる。
五行思想は日本にも大きく影響を与えており、現在も民間信仰でよく目にする。

熟語

通常の読み

土木(どぼく)

土木工事。土石や木材・鉄材などを駆使して、主に道路やトンネルなどの公有構造物を建設すること。
古代中国の書物に記されている「築土構木」の伝承が言葉の由来となっている。

土用(どよう)

上記の五行思想において、春夏秋冬の季節それぞれに木火金水の元素が当てられていた。
そして残る土は「季節の変わり目」に割り振られ、これを土用と呼んだ。
そのため土用は年に4回、四立(立春・立夏・立秋・立冬)のおよそ18日前に訪れる。

土用の丑の日にうなぎを食べるのは、平賀源内のアイデアが発端とされている。
丑の日に「う」がつくものを食べると夏痩せに良いという伝承があり、それをうなぎ屋に教えてあげたところ大繁盛したとのこと。

→干支

特別な読み

土器(かわらけ)

素焼きの陶器のこと。もとは瓦笥(かわら-け)と書かれていたと思われる。
普通、陶器は釉薬(ゆうやく)を塗って焼き、耐水性を強化させた上で長く使われる。
昔は紙皿などがなかったので、使い捨ての器として土器(かわらけ)が用いられた。

土師(はじ)

古代において、土を巧みに操ることで。土器や埴輪、陵墓などを制作した人々。
当時は埴輪(はにわ)を作るのに適した土を「はに」と呼んでいた。
それを操る人々は土師(はにし)と呼ばれ、いつしか現在の読み方となった。

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