上とは、小学一年生で習う漢字である。
解説
概要
「うえ」を表す字。↑の方向。低い方と比べて、高い方。
進行方向や位置関係など、様々な用途で使用する。
転じて、「身分が高い」「程度が高い」「順序が早い」など様々な意味が生まれた。
中には一見「うえ」と関係なさそうな意味も発生している。
女将とお上
「女将」はもともと「お上」から来ている。
商人や職人などの妻や、家の女主人のことを「お上」と呼んだのが始まり。
親しい間柄において、自分の妻を「上(かみ)さん」と呼ぶのもこれ。
転じて、旅館や料亭などの女将(じょしょう)のことも女将(おかみ)と呼ぶようになった。
熟語
通常の読み
上旬(じょうじゅん)
一ヶ月のうち、だいたい月初~10日のこと。
ある期間や書籍などのまとまりのことを「上・下」や「上・中・下」に分けることがあり、
一ヶ月を上・中・下に分けたときの最初のセクションが上旬である。
上演(じょうえん)
別に上の方で演じるわけではなく、単に舞台で演じているシーンを人々に見せること。
上る(たてまつる)という難しい読み方があり、位の高いものに「献上」するという意味である。
転じて、「のぼり」をあげたり、公の場に掲げたりすることにも「上」の字を使うようになり、
そこから「上演」「上映」といった熟語も発生した。
史上(しじょう)
「歴史上」などとも。
例えば「日本史上、類を見ない事件」と言ったら、「日本史」という長い物差しがあり、
今までその物差しの「上」に乗っていなかった事件ということになる。
特別な読み
上枝(ほつえ)
木の上の方の枝。
元は「秀つ枝」と書き、この「秀」は突き出ているという意味であった。
現在では位置関係重視で上枝と書くようである。
→秀(単漢字)