天(単漢字)

天とは、小学一年生で習う漢字である。

解説

概要

大(単漢字)の上部に横線を一本引いた字。
大が人が両手足を広げているところを象った漢字なので、その頭部に線を引くことで、頭上に広がる広大な空、ひいては「天」を表すようになった。

空→天気と連想して、自然現象全体のこと、更には運命や神様なども表すようになる。
どれもニュアンスで理解できるが、小分けすると実にたくさんの意味がある漢字。

熟語

通常の読み

天使(てんし)

キリスト教において、神が人間界に遣わせた使者のこと。
日本は多神教であり神がおよそ八百万いるが、キリスト教は一神教で代わりに天使がたくさんいる。
名前がある天使だとキリストの受胎告知をしたガブリエルなどが有名か。
高位の天使ほど形状が人間離れしていき、例えば智天使ケルビムは胴体が無く4つの顔と無数の目がある。

近年の日本では清らかで愛情深い人、この上なく美しく可愛らしい人などを指すこともある。
「白衣の天使」と言ったら大抵は女性看護師のこと。

天王山(てんのうざん)

勝敗を決する大きな分かれ目のこと。
豊臣秀吉と明智光秀が、京都府と大阪府の間にある天王山という山で勝負を決したことから。
実際に戦場になったのは天王山の東山麓で、1582年の山崎合戦として伝わっている。

特別な読み

天晴(あっぱれ)

見事であることを指す言葉。「敵ながら天晴」など。
もとは「哀れ」から来ており、昔のこの字は悲哀に限定されない感動のことを指していた。
「遖」という国字があり、これも「あっぱれ」と読む。

天地(あめつち)

天と地、合わせて世界のすべてのこと。
普通に「てんち」と読むよりも壮大なイメージがある。

天牛(かみきりむし)

カミキリムシ科の昆虫で、普通は髪切虫と書く。
触角が牛の角のように横に長く、それでいて空を飛ぶので、中国でこの字が当てられた。
あまりにも強烈な難読漢字として逆に有名。

天皇(すめらみこと)

記紀など古代の文献で使用された、天皇(てんのう)を更に敬って言う言葉。
始馭天下之天皇(ハツクニシラススメラミコト)などが有名か。
天下を初めて治めた天皇という意味で、この名を持つのは初代天皇の神武天皇と10代天皇の崇神天皇。
二人のハツクニシラスが存在する理由は諸説あるらしい。

天蚕糸(てぐす)

ヤママユガ科のテグスサンという蛾の幼虫から採取できる糸。
透明で、主に釣り糸などの用途で重宝される。
蚕など生糸が採れる虫は天が我々に与えた虫と言われ、そこから「天蚕糸」の字が当てられる。
「てぐす」という読み方は「手ぐすねを引く」が由来と思われる。

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