玉とは、小学一年生で習う漢字である。
解説
概要
たくさんの宝石や真珠などを紐で通した飾り玉を象った漢字で、「たま」を表す。
転じて、たまのように「美しい」だとか「尊い」もの、敬称などにも使われる。
助数詞の「玉」
「たま」と読む。
りんご一玉など、丸い食べ物を数える時に使う。小さいものになると「粒」になる。
果実に加えてキャベツにレタス、うどんや糸こんにゃくのひとまとまりなど。
玊(きずのあるたま)
「玉」の点の位置がずれている、「玊」という字がある。
普通の「玉」の字に慣れている我々からするとかなり不自然に見える。
多くの文献に載っている字であり、「きずのあるたま」「玉を磨く職人」という意味。
昔の人の書き間違いが拡大解釈されたか、明確に書き分けられたかは定かではない。
熟語
通常の読み
玉音(ぎょくおん)
天皇の言葉の敬称。
ポツダム宣言受諾時の玉音放送、「堪エ難キヲ堪エ、忍ビ難キヲ忍ビ~」は有名。
玉砕(ぎょくさい)
名誉のために潔く死ぬこと。玉が割れるように砕け散るという意味の字を当てている。
「粉砕」は砕く方だがこちらは砕ける方なので使用する文脈が全然違う。
玉の輿(たまのこし)
宝石などで飾った立派な神輿のこと。
昔は嫁入りの際に神輿に乗ったが、玉の輿に乗れるのは高貴な男性と結ばれる者だった。
このことから、裕福な男性と結婚することを「玉の輿に乗る」と表現するようになる。
今では単に「玉の輿」と言うだけでもそういったニュアンスを含み、「逆玉」なんて言葉すらある。
特別な読み
玉蜀黍(とうもろこし)
コムギやイネと合わせて世界三大穀物に数えられる、トウモロコシ。
16世紀にポルトガルから渡ってきたが、既に日本にあったモロコシという植物に似ていた。
舶来を意味する「唐」を頭に付けて「トウモロコシ」と呼称することにしたが、
モロコシはもともと「蜀黍」という漢字を当てており、「唐」と「蜀」で意味が重複するので、
別名の玉黍(たまきび)から字を借りて「玉蜀黍」と表記するようになった。