石とは、小学一年生で習う漢字である。
解説
概要
岩石を表す字。厂(がけ)の下の石を象っている。
どちらかというと「岩」が大きい岩石で「石」が小さい石ころのようなものを指すことが多い。
転じて、「玉」に対しての「石」のように、値打のないものの例えとしても使われる(玉石混交)。
日本の古い単位としても用例が見られる。
助数詞の「石」
「こく」や「ごく」と読む。下記熟語の「石高」も参照されたし。
「加賀百万石」など土地あたりの米の収穫量、和船の積載量、材木の単位など。
米以外に特定の魚のことも数え、サケ40尾で一石、マス60尾で一石である。
石油や石炭は「石」?
石油や石炭に「石」と付いているが、これはそれらの総称である「化石燃料」から。
16世紀頃から燃料として使われ始め、現在ではガソリンやプラスチックの原料や、火力発電における燃料など、様々な用途で消費されている。
これらが枯渇しそうということで騒ぎになっているわけだが、これは生産量が消費量を上回っているからではなく、そもそも今の地球では新たに化石燃料は生成されない。
今の地球では生き物が死ぬと「土に還る」が、これは地中や海中の微生物が死骸を分解するからである(→分解者)。しかし、遥か昔は微生物も今ほど進化しておらず、まだ生き物の死骸を分解する能力を持っていなかった。そのため死骸はそのまま堆積する。そうして陸上植物の死骸が堆積したものが石炭で、海中微生物のそれが熱分解されたものが石油である。
今の地球は分解者がいないと食物連鎖が成り立たない。全ての死骸が分解されるので、化石燃料はじきに枯渇する。
そのため我々人類は、新たなエネルギー源を求めて頑張っているところなのだ。
熟語
通常の読み
石綿(いしわた)
アスベストのこと。
鉱物質の一種で、高い耐熱性や耐腐食性、絶縁性、吸湿性があり、建設や工業分野で広く利用されていた。
しかし、吸入すると呼吸器系の疾患の原因となることが明らかになったため、現在では使用が制限されている。
石高(こくだか)
戦国時代や江戸時代の日本における、米の公定収穫高のこと。年貢を賦課する指標にしていた。
昭和26年に尺貫法が廃止されてから、石(コク)という質量の単位を公的に使用することはなくなった。
特別な読み
石塊(いしころ)
小石。「いしくれ」という別の読み方もある。
実は語源は「石」+「ころ」ではなく「石子」+接尾語の「ろ」で、「塊」は後付けの当て字らしい。