下(単漢字)

下とは、小学一年生で習う漢字である。

解説

概要

「した」を表す字。↓の方向。高い方と比べて、低い方。
進行方向や位置関係など、様々な用途で使用する。

転じて、「身分や程度が低い」「命令を出す」など様々な意味が生まれた。
「お腹を下す」などネガティブな意味で使われることも多い。

「もと」と読む場合

「もと」と読む漢字はかなり多く存在する。

「下」の場合は「上」との対比で「高いもののそば」というニュアンスがある。
特に、物体の下の方や、何かの力の影響の及ぶ範囲を表すときは「下」を使う。
他の「もと」は以下の通り。

もと 意味
物事や順序の最初の方。「もと」を用いる場合は大抵「元」で成立はする。
「元首相」だと首相をやったことがある人、「前首相」だと直前に首相だった人。
物事が成立する根っこの部分。対義語は「本末転倒」の通り「末」。「水は命の本」など。
物体の下の方。また、力の影響の及ぶ範囲。「灯台下暗し」「法の下の平等」など。
何かの近く。親のそばを「親許」、口のあたりを「口許」など。
物事が成立する基礎や土台。「失敗は成功の基」など。
物事、特に料理などをつくる原料や素材。「ケーキの素」など。
「元」と似たシチュエーションで、「新」の対であることを強調したい場合に使う。
「元」と似たシチュエーションで、特に始まりや原因を表現したい場合に使う。

他にも「質」「酵」など。

熟語

通常の読み

下旬(げじゅん)

一ヶ月のうち、だいたい21日~月末のこと。
ある期間や書籍などのまとまりのことを「上・下」や「上・中・下」に分けることがあり、
一ヶ月を上・中・下に分けたときの最後のセクションが下旬である。

上(単漢字)
中(単漢字)

下座(げざ)

芝居などで、舞台に向かって左側。また、囃子方(はやしかた)が控える場所。
「しもざ」と読むと、下位の人が座る席という意味合いが強くなる。
また、偉い人に敬礼する際、座を下がって平伏することがあり、これも下座と呼んだ。
これに派生して、自らの身なりを顧みず、例え土の上であっても下座をして許しを請うのが「土下座」。

下火(したび)

火の勢いが弱まること。転じて、ブームなど盛んだった勢いが衰えること。
逆に勢いが隆盛することを「上火」とは言わない。

特別な読み

下枝(しずえ)

木の下の方の枝。健気で嫋やかなイメージのある言葉である。
「おろしえ」と読む場合は「切り落とした枝」という意味になる。

下火(あこ)

禅宗において、火葬の際に遺体に火を点ける儀式のこと。
下(あ)とは唐音で、江戸時代に長崎の出島に伝わった中国語の発音。

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