木(単漢字)

木とは、小学一年生で習う漢字である。

解説

概要

木を象った漢字で、そのまま「wood」を指す。
その後「木刀」など、木で作られた製品、木材のといった意味も発生した。
五行思想における五行の一つに「木」があり、転じて曜日にも「木」がある。

熟語

通常の読み

木目(きめ)

木目(もくめ)とおおよそ同じ意味で、木材に表出する年輪の模様のこと。
こちらの読み方をすると「木目細やか」など、肌触りの良い例えにも使える。
しかし、木目(もくめ)と紛らわしいためか「きめ細やか」とひらがな表記されることが多い。
読むのは難しいが「肌理」とも書く。

木っ端(こっぱ)

木材を切った時に生じる木の切れ端。転じて、取るに足らないつまらないものの例え。
木っ端微塵(みじん)と言うと、跡形もないほど粉々に砕け散ること。
実際に木が木っ端微塵になるシチュエーションはほぼない。

特別な読み

木偶坊(でくのぼう)

役に立たない人・もののこと。
もともと操り人形のことを「でくのぼう」と呼んでおり、転じて気の利かない者を指した。
ちなみに木偶(でく)だけだと木で作った人形のこと。

木乃伊(ミイラ)

様々な理由で乾燥され、長期間原型を留めている人間・動物の死体のこと。
古代エジプト人のものが有名で、死体を木乃伊処置するための専門の職人もいた。
彼らの死生観によれば死は新たな生の始まりであり、遺体の保存こそが来世の一番の保証とされた。

一方、ヨーロッパにおいては木乃伊は薬や顔料として使用されていた歴史があり、盗掘が横行した。
しかし人目を盗んで砂漠の陵墓に侵入するのは非常に険しく、行き倒れる者も多かったそう。
「木乃伊取りが木乃伊」という言葉のルーツもこれで、日本の落語にも『木乃伊取り』という演目がある。

「ミイラ」自体はポルトガル語を語源とする日本語で、この木乃伊という漢字は中国語。
英語のmummyの発音を昔の中国語で当て字にすると木乃伊に近いという説がある。

木綿(もめん)

アオイ科のワタという植物の種子についている、白くて弾力のある繊維。
室町時代に朝鮮半島から日本に伝わったものとされ、江戸時代には全国に流通していた。
それまでは綿と言ったら蚕から取れる真綿を指していたので、木から取れる綿ということで木綿になった。
「もめん」という読み方は木綿(もくめん)の「く」が無声化したもの。

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