九(単漢字)

九とは、小学一年生で習う漢字である。

解説

概要

数字の9を表す漢字で、大字は「」。
「あまた」という訓読みもあり、非常に多いこと、幾重にも重なっていることを指すこともある。

熟語

通常の読み

九九(くく)

いわゆる掛け算九九。一から九までの数字を順に掛け合わせた積の覚え方。
日本には奈良時代に中国から伝わってきたが、当時は1×1ではなく9×9から唱えた。
庶民に下手に知恵を付けさせたくなかった貴族が、わざと覚えにくい形にしたそう。
現在の唱え順になったのは安土桃山~江戸時代のこと。

九拝(きゅうはい)

天皇への拝賀の際などに礼を9回すること。
立って左右左1回ずつ、座って左右左1回ずつ、跪いて2回、立って1回。
現在ではそれに派生して、何度もお辞儀をすることも指す。

九皐(きゅうこう)

山の奥深くにある、幾重にも曲がりくねっている沢のこと。遠く深い場所の例え。
「鶴九皐に鳴き声天に聞こゆ」と言えば、賢人は身を隠しても名声が轟くということ。

特別な読み

九十九折り(つづらおり)

幾重にも曲がりくねった坂道のこと。
植物の葛(つづら)のツルが複雑に曲がりくねっていることから連想されたそう。

九十九神(つくもがみ)

日本に古くから伝わる信仰のひとつで、長い年月を経た道具などに精霊が宿ったもの。
元は「付喪神」と表記されたが、長い年月=九十九年ということでこの表記もされるようになった。

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